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代表あいさつ

一般社団法人 みんなの保健室陽だまり代表 服部満生子

私はかれこれ40年以上、臨床及び看護教育の場で看護に携わってきました。
2015年に退職後の看護師 7人で「みんなの保健室をつくる会」を立ち上げました。
丁度、少子高齢化が進み 2025年問題がクローズアップされ始めた時期です。

国の政策として「地域包括ケアシステム」が打ち出されました。
その目標は「すみ慣れたところで自分らしい生活を最後 まで続けられるようにする」 とありました。
住み続けるのは「誰か」住民である私たちでしょう。
ならば住民サイドからそのシステムに参画していこうと始めたのが、拠点を持たず地域にでて行く出前の保健室 「みんなの保健室 陽だまり」です。

2016年活動開始と同時に私は乳がんと診断され手術、抗がん剤治療が開始になりました。
当初、私は治療せずに保健室活動を優先させたいと思っていました。

主治医にそのことを申し出たとき「あなたは看護師でしょう」と笑われました。
何よりも抗がん剤による苦しみと体力の消耗を恐れました。
逃げたいと思いました。
患者として病院にいる私と医療職として働いていた自分とでは大きく異なりました。

左が現役の頃の私です

看護師として医療現場にいるときは、患者を中心にした医療やケアは日々進化し、私は患者に寄り添っているとして考えていました。
少なくともそうなろうと努力していました。

しかし患者になった時、 思いの半分も伝えられないのです。
いつどこで誰にこの思いを伝えていいのか分からないのです。
そしてどんどん不満として、その思いは大きくなっていきました。

医療者と患者では「求める医療」にズレがあることを知りました。
このズレに寄り添いできるだけその距離を縮めたいとも思いました。

話を戻しますね。

みんなの保健室としたのは 「みんなで保健室」の意味を含みます。
つまり暮らし及び健康を互いに支援し合おうという「お互い様」を最初から意識して進めてきました。

この初めての取り組みには私たち自身が学ぶ必要がありました。
学習会を続けながら、立ち上げについて場所と資金の相談に市役所に通いました。
しかし行政は縦割りであり「包括的ケアシステム」を住民が実際に取り組むには「長寿支援課」「福祉課」「介護保険課」「町づくり課」と回ることが必要でした。

1年間の準備期間を要しましたが、 全く関係がないと思われた産業振興課の職員の方が再開発地区の喫茶店の使用を提案してくださり、まちづくり課と地域振興課及び喫茶店経営者との話し合いの場を作ってくださいました。

こうして街中の喫茶店で「みんなの保健室・陽だまり」の第一号は生まれました。

開催資金は草加市ふるさと応援基金を2016年から2018年までの3年間いただき、基盤をつくることができました。
4ヶ所で開催した時期もありましたがが、コロナ感染症拡大等の理由により、現在では市内3ヶ所で毎月7回開催しています。

このことから得た私たちの学びは、

① あきらめないこと
② 問題の解決は必ずしも直線的ではないこと
③ 解決は人と人とのつながりが鍵になること

の3つであり、今でも困った時はこの原点に戻って考えることにしています。
これらを基に今後さらにインクルージョン型居場所をつくり、共生社会づくりへと発展させていきたいと計画しています。

私たちの力だけでは活動を継続する事が難しい面が多々あります。
何卒、皆さまのご支援、ご協力いただけますようよろしくお願いいたします。

一般社団法人 みんなの保健室陽だまり 代表 服部満生子

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